Vault QMS 繰り返しチェック機能は、品質イベントが別の品質イベントの繰り返しであるかどうかを判断するための、インテリジェントで合理化されたインターフェースです。この機能が設定されていると、Vault は、Vault によってテキスト検索用語が自動的に提案されるシンプルなユーザアクションで複雑な手動プロセスを単純化することができます。ユーザアクションの実行後、類似性スコアとともに一連の潜在的なレコードが、ユーザインタフェースで並んで比較表示されます。分析が完了すると、Vault がその結果を保存し、関連品質イベントレコードを作成することで、自動的に繰り返される品質イベントをリンクします。

繰り返しチェック機能は、品質イベントオブジェクトの以下のオブジェクトタイプのレコードをサポートします。

  • 逸脱
  • クレーム
  • MedTech クレーム
  • 変更管理
  • 積極的取り組み
  • 外部所見
  • 内部所見
  • 臨床検査機関調査
  • 不適合

繰り返しチェックの仕組み

最近終了した品質イベントから、または事業処理で定義された別の時点で、繰り返しチェックのユーザーアクションを実行すると、Vault は高度な検索アルゴリズムを使用して、現在のオブジェクトレコードの特定のテキストフィールドを、該当する過去のオブジェクトレコードの同じフィールドと照合します。

Vault は、わかりやすいインターフェ-スでこの比較結果を表示し、最も関連性の高いレコードのみからの最も関連性の高いレコードデータのみを表示します。ここから、繰り返しの可能性についての各レコードを確認し、分析を完了するための適切な応答を提供できます。

チェックを完了すると、Vault は、過去のレコードで繰り返しとして現在のレコードと識別されたレコードと結合する関連ドキュメントレコードを自動で作成します。Vault は、完了したチェックの概要も現在のオブジェクトレコードの関連レコードチェック結果レコードとして保存します。

レコードチェックインターフェース

レコードチェックのユーザーインターフェースには、レビューに最も関連性の高い情報のみが表示され、トップバーメインのレビューエリアで構成されています。

トップバー

ページの上部には、すべての結果と各一致階層でレビューされる残りのレコードを含む、レビューステータスの概要カードが表示されます。

レビューボタンをクリックして有効にすると、概要ページが表示されます。戻るをクリックすると、繰り返しチェックが未完了の状態で現在のオブジェクトレコードに戻ります。

メインレビュー領域

ページのメインレビュー領域には、現在のレコードデータが一連の潜在的な一致データとともに表示されます。メインエリア右上の比較ビューまたはグリッドビューのいずれかを選択して、このデータビューの方向と密度を変更することができます。比較ビューには、データが列で一覧表示され、現在のレコードデータは左に表示されます。グリッドビューは、現在のレコードデータを一番上に、より密度の高いビューの行でデータを一覧表示します。

関連フィールドで一致した検索用語は太字で表示され、フィールドラベルのチェックマークは、フィールドデータが現在のレコードと完全に一致していることを示します。レビューが容易なように、繰り返しチェックには、一致フィールドとともに不一致フィールドデータが追加表示される場合があります。

一致基準にカーソルを合わせると、Vault のレコード検索を制約していた用語、ライフサイクル状態、および期間が表示されます。関連ドキュメントまたは妥当性が提供されていないレコードだけを表示するには、未完了のみを表示をクリックします。すべてを表示をクリックすると、これが逆になり、チェック内のすべてのレコードが表示されます。チェック結果が 1 ページに収まりきらない多くのレコードを含む場合、次の結果をクリックして、次の結果のページに移動します。

チェックするレコードに関連オブジェクトフィールドが存在する場合、メインレビュー領域から関連オブジェクトデータを表示し、比較できます。表示 をクリックすると、現在のレコードの関連レコードのリストが表示されます。一致候補のセクションで 比較 をクリックすると、現在のレコードの関連レコードのリストと、一致候補の関連レコードのリストが表示され、簡単に比較できます。

類似性スコアリングの仕組み

Vaultは、あるレコードのテキストを比較して類似レコードを探す際に、テキストの意味を最もよく捉えている用語を探し、類似の意味を持つテキストを含む他のレコードを見つけることができます。これらは、テキスト中に頻繁に出てくるが、他のレコードまたはドキュメントにはほとんど見られない用語である可能性があります。例えば、「the」という用語は頻繁に出てきますが、他のほとんどすべてのレコードで見られるので、重要視されません。しかし、「broken」または「syringe」といった用語は、他のレコードではあまり見られず、何度も言及されているため、Vaultは比較するテキストの意味として重要であると考えます。

また、重要な用語は、テキスト中に一度だけ出てきますが、他のレコードではほとんど見られない用語であることもあります。例えば、メディカルデバイスのモデル番号または医薬品の原料などです。

他のレコードで見つかった重要な用語はすべて、Vaultの類似性エンジンによって計算された総合スコアに貢献します。Vaultは、見つかったすべての類似レコードに対してこのスコアを生成し、完全に類似した(完全一致)レコードのスコアと比較して、相対的な類似度を決定します。その結果、スコアは0~100%の間のパーセンテージとなります。

繰り返しチェックの完了

繰り返しチェックを完了するには:

  1. 品質イベントオブジェクトレコードから、繰り返しチェックの実行アクションのアクションメニューを選択します。アクションのラベルは、Vault の設定に応じて異なる場合があります。そのレコードで進行中の繰り返しチェックがある場合、廃棄または再開のいずれかの選択を求められます。
  2. 繰り返しチェックの実行ダイアログで、ドロップダウンメニューから繰り返しチェックのタイプを選択して実行します。Vault が繰り返しの検索に使用する一致基準が、ダイアログボックスに表示されます。
  3. 任意の作業: 提案される一致用語ボックスが表示されると、必要に応じて用語の追加/削除が行えます。これらは、以前のオブジェクトレコードフィールドで Vault が検索する用語です。
  4. 続行をクリックします。Vault はレコードチェックを行います。
  5. レコードチェックが終わると、Vault は、レコードチェックインターフェースに該当する結果を表示します。提示されたレコードを確認して、関連ドキュメントを選択し、必要に応じて妥当性を提供します。
  6. レビューが終わったら、レビューをクリックします。
  7. レコードチェック結果を確認し、完了をクリックします。完了ボタンは、必須の関連ドキュメントと妥当性をすべて提供した後に、利用可能になります。

Vault は、一致を確認したレコードを自動的に現在のレコードに関連付け、レビューデータとともにレコードチェック結果レコードを作成します。管理者によって設定された場合、レコードチェック結果レコードのユーザーアクションを実行して、概要付きのレポートドキュメントを作成します。

繰り返しチェックの再実行

繰り返しチェックのユーザーアクションを実行し、現在のオブジェクトレコードに、完了済みのレコードチェック結果に関連したレコードがある場合、Vault はいくつかのオプションを含むレコードチェックの完了前にのダイアログを表示します。

  • キャンセル: 繰り返しチェックを実行しない場合に選択します。
  • 最新のものとの入れ替え: 繰り返しチェックを実行し、完了後に古いレコードチェック結果を保存しながら、最新のレコードチェック結果データだけに入れ替えます。
  • 全てを入れ替え: 繰り返しチェックを実行し、このレコードに関する以前のすべてのレコードチェック結果を入れ替えます。
  • 保存: 繰り返しチェックを実行し、以前のどのレコードチェック結果も入れ替えません。

繰り返しチェックを使用するには、次の権限が必要です:

タイプ権限制御
セキュリティプロファイルオブジェクト:品質イベント:[オブジェクトタイプ]:参照、編集このオブジェクトタイプの品質イベントレコードを繰り返し確認インターフェースで表示し、レビュー中に関連データを追加する機能